『鉄風』太田モアレ

 武道書ではなく単に格闘漫画です。
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 武道オタクの例に漏れず?格闘漫画は割りと好きなつもりなのですが、最近になって存在を知り、とりあえず既刊の5巻まで読んでみました。
 女子格のマンガで、主人公の石堂夏央は身長182cmのスポーツ万能高校生。元々バレー部に所属するも、ブラジル帰りの総合格闘技少女・馬渡ゆず子と出会い、総合格闘技を始める、というお話。
 主人公、何をやっても簡単にできてしまうので「努力」がしたい、というちょっと歪んだ性格。明るくて異様に前向きなゆず子が目障りで気に食わず、彼女を叩きのめすために格闘技をやっているようです。
 ゆず子は柔術系の選手で、小柄にも関わらず超人的な身体能力を持っていて、今のところ夏央よりずっと前を行っています。
 また、ゆず子の友人で格闘家マリオ・コルデイロの娘リンジィ・コルデイロは、打撃主体の選手で(柔術家の娘なのに)、男子格闘家のアバラをへし折る実力。
 他に空手家で夏央の幼馴染である沢村早苗が彼女をライバル視しています。
 設定上は、歪んだ性格の夏央(兄との関係でトラウマのある描写あり、まだ謎)が、明るいゆず子に対抗心を燃やす、ということのようですが、よくよく眺めるとゆず子やリンジィの方がずっと不気味です。特にゆず子は少年漫画の主人公のような明るさで、まるでリアリティがなく(まぁマンガなのでどのキャラもうそ臭いといえばうそ臭いですが)、本当に精神が壊れてるのは彼女の方じゃないかと思います。
 気になる格闘描写ですが、細かい総合の技術を嫌味にならない程度に描いていて、安心して読んでいられます。かといって格闘オタク路線を邁進している訳でもなく、技術描写に耽溺したり、強さインフレでどうしようもなくなる感じはありません。割りとバランスが良いので、夏央の成長速度を抑えめにやっていけば、長く楽しいマンガになる気がします。
 個人的には、空手家の早苗に活躍して欲しいところです。ショートカットの鋭い目付きで、カッコイイです。
 夏央が182cmなのに60kgに届かない体重で、あれだけの強さを示す、というのはちょっと無理がある気もします。現在トーナメント場面ですが、彼女の衣装はもうちょっと地味にした方がリアルで良かったと思います。
 やはり女子格のマンガで、かつ対象は男性だと思うので、一応女の子を可愛く描いているのかもしれませんが、多少不細工で地味な方がこのマンガの良さが出るでしょう。
 夏央の師匠である格闘家の紺谷可鈴は、エラの張った本物っぽい顔つきで、めちゃめちゃ強く、わたしは大好きです。これくらいの方が本物っぽいです。
 可鈴姉さんは男好きする顔立ちではありませんが、一所懸命ですごく魅力的ですし、本当の女子格の魅力が一番出ています。憧れます。
 ちなみに、同じく女子のボクシングを扱っている『ライスショルダー』も、展開的に楽しく、不細工が活躍していて大好きです。

B007SK9L6Y鉄風 コミック 1-5巻 セット (アフタヌーンKC)
太田モアレ
講談社 2012-05-14

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