『ブルース・リー ジークンドー』中村頼永

 中村頼永師父がジークンドーを大きく紹介し始めた、初期の頃の月刊フルコンタクトKARATE別冊です。まだちょっと「外から」目線でジークンドーやイノサント・アカデミーを眺めているのが今となっては貴重です。
 お約束のブルース・リー師祖の写真集、映画の中で見られる技法解説(燃えよドラゴンの対オハラ戦など)、元ムエタイ王者との一戦についての解説もあります。
 しかしやはり、最初に書いた通りまだ新鮮な目で見ている中村師父のイノサント・アカデミー紹介が興味深いです。打ってきた相手の腕や拳を攻撃するカリのグンティンという技術も、「日本では見られない」と解説されています。また、スイッチを使わず前足でダイレクトで蹴る方法も、日本の武道・格闘技ではあまり練習されません。

先生同士が非常に仲良く、しかもある一つの格闘技の先生だからというおごりはなく、他の先生の授業を熱心に受けてい(る)

一つ感じた事は、技が多すぎるために一つの技にかける時間が少なく、実際に自分の技にするにはここだけの練習では難しいであろうと言うことであった。もう少し一回の授業における技の数を減らして、それを徹底的に練習するのも少し必要な様に思えた。しかし沢山の技を紹介し、練習する事によりマンネリ化を防ぎ、授業を面白くしているのも事実だった。

(手合いの間合いでのトラッピング技法などについて)相手がきれいな技を出してくれるほど、こちらの技もきれいにきまるが、相手の攻撃が雑だとなかなかうまく決まらない場合があった。格闘技者の中には、技はきたなく荒いが強いという人もいる。その事を考えると、この技術も約束組手だけでものにするのは難しい気もした。

印象に残っているのは、フランスでサバットのインストラクターをしているという若者とのスパーで、確かに蹴りは早く多彩ではあったが、ここでは蹴りのヒットポイントをずらしてつかむという練習があまりされていなかったので、それを使うと面白い様につかめ、倒すと相手も困惑の表情を見せ始め(た)

 おそらく、ここで中村師父が感じられた疑問というのは、その後の修行の中で答えが見つかっていったのではないかと思うのですが、ジークンドー的な技術を見た時に割と誰もが感じる感想を率直に語っておられて、なかなか興味深いです。
 続編で『ブルース・リー ジークンドー2』というのもあるのですが、わたしは持っていません。

B006517WMWブルース・リー ジークンドー 月刊フルコンタクトKARATE1月号別冊
中村頼永
福昌堂 1998

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